JIPデータベース2021

日本産業生産性(JIP)データベース2021について

本プロジェクトでは、経済産業研究所(RIETI)「産業・企業生産性向上」プログラムの「東アジア産業生産性」プロジェクトおよびJSPS「人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築プログラム」)と協力して、日本の経済成長と産業構造変化を分析するための基礎資料である、日本産業生産性データベース(Japan Industrial Productivity Database、以下ではJIPと略記)の改訂と更新を進めてきた。今回下記のウェブ・ページで公開したのは、JIP 2021(2021年3 月15日)である。JIP 2021は、1994年から2018年に関する、各産業別に全要素生産性(TFP)を推計するために必要な、資本サービス投入指数と資本コスト、質を考慮した労働投入指数と労働コスト、名目および実質の生産・中間投入、TFPの上昇率を計算した成長会計の結果、労働生産性上昇の要因分解などの年次データから構成されている。

今回の更新はいわば「簡易延長」であり、JIP 2018(2019年3月31日付)と比較すると、1)2016-18年に関するデータの追加、2)新しく得られた様々なベンチマークデータの反映、等の変更を行った。なお、今回のJIP 2021では名目値のコントロール・トータルとして、平成23年基準国民経済計算の生産側データを使っているが、このデータが1994年以降しか公表されていないため、JIP 2021も前回のJIP 2018と同様に94年以降のみをカバーしている。次回公表するJIP 2022においては、簡易遡及の形で出来るだけ過去に遡ることを試みたい。なお、国民経済計算は毎月勤労統計の再集計値公表を受けて改訂が行われたが、今回のJIP 2021でもこの改訂を反映させた。なお、2019年12月に国民経済計算で基準改定が行われ、生産面では、シェアリング・エコノミーに関する住宅宿泊サービス事業の計上、設備投資関連で、建設補修(リフォーム・リニューアル)支出の投資額への計上、リースの使用者主義への変更、娯楽作品原本の推計などが行われているが、こうした改訂については次回以降の推計で反映することとしたい。

2015-18年は、アベノミクス下で景気が比較的順調に回復する一方、多くの産業でTFP上昇、資本蓄積、労働生産性上昇が停滞した。また非正規雇用を中心に、比較的低賃金の女性や高齢者の雇用が大幅に増加したことで平均的な労働の質が低下した。今回公開するJIP 2021は、この時期をカバーすることになる。

推計方法の詳細については、深尾京司(編)『サービス産業の生産性と日本経済:JIPデータベースを用いた実証分析』東京大学出版会、近刊を参照されることをお薦めする。

詳しくは以下のURLをご覧ください
https://www.rieti.go.jp/jp/database/JIP2021/

JIPデータベース2018

日本産業生産性(JIP)データベース2018について

本プロジェクトでは、経済産業研究所(RIETI)「産業・企業生産性向上」プログラムの「東アジア産業生産性」プロジェクトおよびJSPS「人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築プログラム」)と協力して、日本 の経済成長と産業構造変化を分析するための基礎資料である、日本産業生産性データベース(Japan Industrial Productivity Database、以下ではJIPと略記)の改訂と更新を進めてきた。今回下記のウェブ・ページで公開したのは、JIP 2018である。JIP 2018は、1994年から2015年に関する、各部門別に全要素生産性(TFP)を推計するために必要な、資本サービス投入指数と資本コスト、質を考慮 した労働投入指数と労働コスト、名目および実質の生産・中間投入、TFPの上昇率を計算した成長会計の結果、などの年次データから構成されている。

今回の更新はいわば「全面改定」であり、JIP 2015(2015年11月13日付)と比較すると、1)R&D支出の資本化など2008SNAに対応、2)部門分類をアクティビティー(商品)ベースから事業所の産業格付けに基づく産業ベースに変更(日本全体をカバーする部門数は108から100に変更)、等の重要な変更を行った。なお、今回のJIP 2018ではコントロール・トータルとして、平成23年基準国民経済計算の生産側データを使っているが、このデータが1994年以降しか公表されていないため、JIP 2015も1994年以降のみをカバーしている。次回公表するJIP 2019においては、簡易遡及の形で出来るだけ過去に遡ることを試みたい。また、国民経済計算は毎月勤労統計の再集計値公表を受けて改訂が行われたが、今回のJIP 2018にはこの改訂を反映していない。この点についてもJIP 2019において対応する予定である。

2012-15年は、アベノミクスによる大幅な円安によって、製造業を中心に景気が回復すると同時に、女性や高齢者の雇用が大幅に増加した時期であった。今回公開したJIP 2018は、この回復の時期をカバーしている。

推計方法の詳細については、深尾京司・宮川努(編)『生産性と日本の経済成長:JIPデータベースによる産業・企業レベルの実証分析』東京大学出版会(2008年3月)を参照されたい。なお、本プロジェクトではJIPの全面改定の詳細を報告するため、2020年度に東京大学出版会から新しい本を出版することを計画している。

詳しくは以下のURLをご覧ください
https://www.rieti.go.jp/jp/database/JIP2018/

R-JIPデータべース2017

都道府県別産業生産性(R-JIP)データベース2017について

地方を中心に急速に進展する高齢化・過疎化や製造業で加速する生産の海外移転等により、地域間経済格差や産業の地域分布の動向、地方財政の維持可能性、等について不確実性が高まっている。各国間の所得・労働生産性格差に関する最近の研究では、EU KLEMSデータベース・プロジェクトに代表されるように、産業別に資本ストックや労働の質を推計し、物的・人的資本蓄積や産業構造の変化、産業別の全要素生産性(TFP)の動向等で各国間の所得・労働生産性格差の原因や経済収束を説明しようとする分析が行われるようになった。しかしこのアプローチは、日本を含め一国内の地域間所得格差に関する研究ではあまり採用されていない。これはおそらく、必要な国内地域別・産業別データを得ることが難しいためであると考えられる。

このような問題意識から本プロジェクトは、経済産業研究所(RIETI)の「産業・企業生産性向上」プログラムと協力し、日本の地域間生産性格差や産業構造を分析するための基礎資料として、「都道府県別産業生産性データベース」(Regional-Level Japan Industrial Productivity Database、略称R-JIP)の構築に取り組んできた。

R-JIPデータベースは、全国版の日本産業生産性(JIP)データベースをコントロールトータルとして、47都道府県別(沖縄県は1972年から)×23産業別に全要素生産性を計測するために必要な、名目・実質付加価値、質の違いを考慮した資本・労働投入、産業別全要素生産性水準の県間格差と県別産業別全要素生産性上昇率の計測結果、等の(暦年)年次データから構成されている(一部データはベンチマーク年のみ)。

姉妹編であるJIPデータベースが、産業部門の詳細な情報(現行は108部門)と中間投入行列の情報を含み、日本全体の産業の詳細な生産性分析を行うことができるデータベースとして構築されているのに対して、R-JIPデータベースは都道府県別の産業の情報を補完するものである。ただし、R-JIPデータベースでは都道府県別情報が加わった一方で、利用可能なデータの制約から、産業部門数を23部門とし、中間投入の情報はなく粗付加価値ベースの産出量を使うといったように、姉妹編のJIPデータベースと比較して簡略化されている。しかしながら、生産要素の質の違い(時系列では労働及び資本投入、クロスセクションでは労働のみ)を考慮した生産性の地域間比較が可能なデータベースとして特色のあるものであることを自負している。

詳しくは以下のURLをご覧ください
https://www.rieti.go.jp/jp/database/R-JIP2017/